無数のリアルな声から、
想像以上の価値を見出す。
Project story 02

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現場の課題やニーズを正しく把握する上で、多くの企業が必要としているのが、自社商品を実際に購入したお客様、あるいは自社サービスを実際に体験したお客様の生の声だ。顧客のリアルな声を集計し、可視化していく取り組みとして、ロイヤリティ マーケティングは、2022年7月に新商材をリリースした。来店客に対し店舗評価に関するWEBアンケートを実施し、調査結果をレポーティングする「Customer X」。企業がこれまで多額のコストをかけていた覆面調査に代わる新しい調査方法として期待が寄せられている。ロイヤリティ マーケティングが目指す、単なるWEBアンケートを超えたプロダクトとは何か。「Customer X」に携わるメンバーらに話を聞いた。

荒谷 陽平
2019年入社
プロジェクトリーダー
菅原 美優
2019年入社
営業担当
大久保 菫
2018年入社
企画担当(リサーチャー)
森 剛久
2021年入社
企画担当(アナリスト)

お客様の生の声という
強さと確かさ。

「来店するお客様の生の声を収集して、各店舗におけるマネジメントに活かしたい」。「Customer X」の原型となる仕組みが生まれたのは、クライアントのご要望がきっかけだった。来店客の声をリアルタイムで集計するために、ロイヤリティ マーケティングはWEBアンケートを採用。いざ調査を開始するやいなや、生の声のデータとしての価値を、クライアントのみならずロイヤリティ マーケティングのメンバーらも再認識することとなる。同様のデータを必要としている企業は少なくない。この調査を、より多くの企業向けに提供できないか。こうして「Customer X」の構想が膨らんでいった。

菅原 クライアントの営業担当として、立ち上げ時に関わっていました。WEBアンケートの仕組み自体はすでにありましたが、お客様の生の声を集めるために、大々的に展開したことはなかったんです。途中何度も仕様の変更があり、大変だと思う時期もありました。でも、クライアントの「やりたい!」に応えたい一心で、ひたすら目の前の課題に取り組んでいたように思います。運用が始まって数年が経過しましたが、現在も仕様のアップデートは続いています。それだけ、先方としてもこの調査に価値を感じていただいているのだと思います。

荒谷 クライアントと伴走しながら、みんなで一丸となって作り上げた仕組みが、「Customer X」の構想につながっていきました。

大久保 お客様の声を可視化したことで、店舗のマネジメントがうまくいくようになったという話を多く耳にします。たとえネガティブなご意見だったとしても、実際の顧客の声だからこそ、現場も前向きに受け止めて、改善に活かせる。私たち自身も改めて、お客様の生の声というデータが持つ強さに気付かされました。

荒谷 特に良い印象を受けた時や、悪い印象を受けた時は、何か言いたくなるのが人間の心理。こちらが回答の選択肢を用意していないフリーアンサーは、データとして非常に見応えがあります。同様のデータを必要としている企業はたくさんあるはず。こうして「Customer X」のアイデアが少しずつ膨らんでいきました。

匿名のお客様「X」の声を、
現場に届ける。

売り場の整理整頓ができているか。マニュアルが遵守されているか。客観的に店舗の状況やサービス品質を調査するために、小売業の多くは、店舗に調査員を派遣する覆面調査を定期的に行っている。この調査方法をDXの考え方で一新し、ピンポイントに店舗を訪れる調査員に代わって、日常的に店舗を利用しているお客様が評価をするのが、「Customer X」だ。お客様の生の声をWEBアンケートで集計することで、従来の方法に比べ、スピーディーかつ低価格、そしてインタラクティブな調査を実施できるという利点がある。

荒谷 WEBアンケートのフリーアンサーには、企業側が想定していない回答が集まります。あらかじめ決められた項目のみをチェックする覆面調査では得られない気づきや、ヒントが見つかるという確信がありました。この施策は覆面調査のDX化という観点で新たな価値提供をできるのではないか。そんな思いで「Customer X」と名付けました。匿名のお客様Xという意味に加えて、CXやDXともかけています。

大久保 ネーミングを考えたのは荒谷さんなのですが、画数占いなどもしながらチームのみんなで決めました。名前のおかげもあってか、クライアントからもよい反応を得られています。

荒谷 覆面調査を実施すると、その都度人件費や交通費が発生するので、出店数の多い企業にとってはかなりのコストがかかります。自社の店舗を調査するだけでなく、競合店との比較を行うとなると、さらに費用がかかってしまう。その点「Customer X」は、WEBアンケートなので、圧倒的にコストを抑えられるというメリットがあります。

大久保 「Customer X」の調査で得られるのは、お客様が実際に答えた生の回答だからこそ、現場に改善を促す際の説得材料としても強いですよね。

 私も営業の場に行ったことがあるんですが、やはりクライアントの反応はいいですね。「これは確かにいいですね」というリアクションをいただけることが多い印象です。

目指すのは、
単なるWEBアンケートを超える
プロダクト。

WEBアンケートそのものに、目新しさはない。リサーチという機能だけに目を向ければ、競合との差別化は難しい。だからこそ「Customer X」が目指すのは、単なるWEBアンケートを超えるプロダクトだ。ロイヤリティ マーケティングには行動データとの紐付けができるという、競合にはない強みがある。会員の行動データと照らし合わせることで、より確度の高い調査結果が得られ、より精度の高いターゲティングをもとにしたプロモーションにまでつなげることができる。リサーチとアナリティクスとプロモーション。すべてを掛け合わせ、ロイヤリティ マーケティングならではの価値を発揮していく上で「Customer X」が担う役割は大きい。

荒谷 マーケティングリサーチの市場は、ある程度成熟していると思っています。すでに競合が複数いるなかで、単なるWEBアンケートでは差別化が図れない。そこで活きてくるのが、行動データを持っている我々の強みです。

大久保 競合の中には、当社と同規模のリサーチ会員数を抱える企業もあります。けれどもそれは、あくまでアンケートに回答してくれる方々の数。当社の場合、リサーチ会員の方々は、同時にPontaの会員でもあります。つまり、アンケート回答結果だけではなく、日ごろの行動データと掛け合わせた、分析や施策の立案ができるんです。

荒谷 今まさに森さんが取り組んでいる、機械学習を活用したさらなる進化にもつながる部分ですね。例えば、アンケートで「また購入したい」と回答した方が1000人見つかった場合、機械学習でその人と似た属性のターゲットを割り出して広告配信ができる。リサーチがきっかけとなって、より確度の高いプロモーションへとつなげていくことができるんです。

 試行錯誤しながら、より良い形を模索しています。ゆくゆくはPontaデータと生成系AIをつなげたサービスを検討していきたいと思っています。

荒谷 リサーチと、アナリティクスとプロモーションをつなげていく。ロイヤリティ マーケティングならではの価値を、さらに追求していきたい。「Customer X」はその起点になると思っています。

※本記事は2023年9月時点の情報です。また、登場する社員は仮名表記です。